月の夜に



聞こえる息遣いに胸を躍らせて
それを喘ぎに変える為に手を踊らせて
恥じらう声なんて気にしない
それを許したのは君なんだから


珍しく君が夕飯に誘ってくれて
軽い話を幾つか
わざと君のグラスに酒を入れたりして
楽しい一時

火照った顔の君と
風の冷たい廊下を歩きながら
君が気にした窓の外の満月を見つめて
思わず身体が動いていた


突然の行動に訝る声を挙げる君を無視して
自分の部屋へと君を引っ張って行く
鍵を掛けて
ベッドの上に君を押し倒す




何か恐ろしいモノを見るように向けられる君の瞳
自分の中で弾けそうになる何かを抑えながら
ダメモトで耳元にそっと囁きかける
「嫌なら言ってくれ」





一瞬沈黙





君はそのまま固く眼を閉じる
見ているだけでも判る震え
それでも否定を聞いてないから
君にそのまま浅くキスをする


邪魔な上着を脱いでしまおう
君の服も脱がせてしまおう
邪魔な眼鏡も取ってしまおう
今更恥ずかしがっても遅いんだ



全て俺に任せれば良いよ
君が恐れる必要はない
その身体全て俺に預ければ良いよ
君の怖れを悦びへと変えてあげよう



うっすらと赤みを帯びた君の白い肌に
窓から射し込む月の光が黄色く注ぐ
眩しさに見上げた視線の先
大きな月が顔を向けていた



月が見ている、なんて女々しい科白







君は夢の中
俺の腕の中
君と俺の中
俺が君の中








すぐそばで寝息をたてる君
目を覚ましたら恨み言の1つでも言われたりして
それでもこの嬉しさを与えてくれたのは


酔いか月か



























戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送