このままでは終らない



トラン解放戦争の時の本拠地で
ある日見掛けた女の子

肩にかかるかかからないかの栗色の髪
知的そうな瞳に丸いレンズの眼鏡
片手に本を大事そうに抱えて
マジメそうな、マジメだろう女の子

声を掛けてもつれない返事
やっぱりなかなかガードが固い

遠くで見ても可愛かったけれど
近くで見ても可愛い感じ
上目遣いに睨んでくる瞳がとても綺麗で
最初に見た時はどきりとした










結局深く付き合う事は出来ずに3年
まさか又会えるなんて思わなかった

偶然?
いや、きっと必然
彼女と俺とは
出会う運命










同盟軍の本拠地に着いたその夜
城の中を探検してたら彼女と鉢合せ
「久し振り」
笑顔で言ってみたけれど彼女は冷たい視線

「…何考えてるんですか」
「何が?」
「大広間で、あんな事言うなんて…」
「あ、やっぱダメ?」
「事実と違うじゃないですか!何ですか、親しい仲って!!」

どうやら俺の自己紹介が気に入らなかった様子

「これからの予定を語ってみたんですが」
「勝手に予定を立てないで下さい!」
「…迷惑だった?」
「当り前です!」

叫んだ頬は心なしか赤らんで見える

「…再会を喜んではくれないわけ?」
「ど、どうして喜ばなくちゃいけないんですか!」
「こんな所で会えるなんて思わなかったからさ」
「会えなくても良かったんですけど」

相変わらずつれない
俺は
俺は

「俺は、君にまた会えて凄く嬉しかった」



「………どうして、そんな風に言うんですか……」
「別に、素直な気持ちなんだけど?」

彼女は俯いてしまった
これは、これは、これは、
も  し  か  し  て…???

俺はそっと彼女に近付いて
彼女の肩に手を乗せようと…

「勘違いしないで下さい」

手を乗せようとした、まさにその瞬間
彼女は素早く顔を上げ
絶妙なタイミングで

「照れてるとか、嬉しいとか、そんなんじゃありませんから!」

頬を赤らめて
相変わらず綺麗な瞳で俺を睨んでくる
そしてあっという間に
廊下の奥へと消えてしまった










空を切った俺の手
意味もなく開閉

ダメかな、と思ったけど
意外と脈アリ?

思いがけぬ再会に
思いもよらぬ展開
でもまだまだ序の口



このままでは終らない















戻る
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送